今回読んだ本「お金の流れでわかる世界の歴史」 大村大次郎
お金ってなんだろう
お金とは。お金の知識を色々得たいなぁと思っていた時にふと思いました。
世界とお金の関係を知ることは、お金について知るヒントになるかも?という思いから、この本「お金の流れでわかる世界の歴史 富、経済、権力……はこう『動いた』」を読んでみました。
世界史にについては、学生のころ一応学んでた…?程度の知識です。
読んでみて面白かったこと
私の世界史の知識はほぼゼロですが、読んでみて全体的に物語のように楽しめました。歴史って面白い!(世界史の教科書は文明の誕生で挫折でした。)
学んだはずなのに全然知らないことばかりで、一つ一つのエピソードも楽しく読めました。知識として学んだことはたくさんありましたが、全体を通して、面白いと感じた点を3つあげます。
歴史を動かすのは経済
オスマン・トルコ、スペイン、ポルトガル、イギリス、アメリカ
お金を集められるところが力を持っていく…
昔、世界史の授業で戦争の説明されても、「なんで急にこの国出てきたんだろう」とか、「そんな理由で戦争する?」みたいに感じていました。
でも「こんな経済状況でして…」の部分を知ると「それで革命起こったのかー」「それで戦争したのかー」と納得できました。経済的な問題は身近に感じます。
この本で歴史を見ていくと、著者のいう「本当に歴史を動かしているのは、政治や戦争ではない。お金、経済なのである」がその通りだと感じます。
お金を合理的な処世の道具と考えるユダヤ人はお金に強い
ユダヤ人は「放浪の民」。長い歴史を通じてあらゆる土地でマイノリティーであった。生きていくためには激しい戦いを強いられてきた。
出エジプト記、バビロン捕囚、スペインから追放され、ポルトガルから追放され、ブラジルから逃げ…
世界中を移動しているユダヤ人。そんな中、非常に合理的な処世術を唱えるようになり、お金に対しても合理的に考えるようになった。
厳しい世界を渡っていくために、お金に強くなっていったのかも。
と言うことは、お金の知識があれば、厳しい世の中も生きていきやすい!?
現在はフランス革命前に似ている
ソ連(共産主義)が健在だったときは、資本主義経済が過熱し、貧富の格差が拡大しないように配慮を行っていた。(貧富の拡大が共産主義の台頭を招いたから)
ソ連が崩壊した後は、企業や投資家に限りなく自由を与える政策を採り始めた。
日本では、富裕層の所得税率の引き下げ、相続税の引き下げ…マネーゲームは現在も優遇され、世界的に貧富の格差が拡大している。
この状態はフランス革命前のフランス社会に似ているらしい。
歴史を知っている人たちは、歴史からこれからの世界をみているのかも。
歴史を動かすのはお金、世界を生き抜いていくためにもお金の知識は重要
この本を読んで、「歴史を動かすのが経済」という著者の言葉に納得し、「放浪の民」ユダヤ人はお金の知識で世界の歴史の経済の中枢に座ってきていることに納得しました。
ユダヤ教の教えを集めた「タルムード」も読んでみたいと思います。
社会人の今だから面白いのかも
世界史を勉強する学生の頃に読めていたら、もっと興味を持って世界史の教科書以外の部分を調べたりしていたかも…と思いましたが、税金を払う立場になって、投資やお金についても考えるようになった今だから、より面白いと思えたのかも知れません。
この本の序文には、「人類は財や富を求めるという本質がある。世界の歴史は、人類が財や富をいかに求めてきたか、ということでもある」との記載があります。学生の授業でこんなふうに言うのは、夢がないのかも知れません。
でも資本主義社会で働く30代の私には、世界の歴史を動かしていくお金の動き、とても面白かったです。
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